低回転域では、エアフィルターを通った空気がまず機械式のスーパーチャージャーに導かれ、その後ターボチャージャーで再加圧されてからスロットルバルブへと送り込まれます。高回転域では、スーパーチャージャーをバイパスするパイプに設けられたフラップが開き、空気を直接ターボチャージャーへと送り込みます。低い回転域から素早く過給を開始するスーパーチャージャーによって、高回転域を得意とするターボチャージャー特有のターボラグを解消。逆に高回転域になるほどエンジンへの負荷が高まるスーパーチャージャーのデメリットも、ターボチャージャーへのスムーズな切り換えによって解決されました。
エンジンのクランクシャフトからベルトにより機械式に駆動され、吸気を圧縮するスーパーチャージャー。TSI®エンジンのスーパーチャージャーはエンジンの回転速度の5倍のスピードで回転するように設計されており、アイドリング直後の回転数からすでに大気圧の1.75倍という圧力で空気を過給しています。低回転域から際立つレスポンスを示し、ドライバーは爽快に上昇していくパワーの伸びを意のままに楽しむことができます。
エンジンに効率よく空気を充填させれば、燃料消費量を増やすことなく出力を向上させることができます。この特性を活かすために、ターボチャージャーは流れる排気ガスのエネルギーによってタービンを回転させ、吸気系の空気を圧縮してエンジン内に送り込み(過給し)ます。その過給効果はエンジン回転数に比例して高まり、トルクを増大させて素晴らしいパワーをもたらします。
ガソリンを直接シリンダー内に噴射するFSI®では、噴射されたガソリンの気化によってシリンダー内の熱が奪われます。その結果、体積効率が高まり、シリンダー内により多くの空気を取り入れることができるのです。さらにこの冷却効果によってノッキングの発生が抑えられるため、高圧縮比による燃焼効率の向上も可能になりました。 このFSI®テクノロジーを、TSI®エンジンのためにさらに改良。初めて採用された6穴噴射ノズルの噴射圧は150barにまで高められ、ピストン形状も新設計されています。その結果、アイドリングから7,000rpmのレッドゾーンに至るまで、常に理想的な混合気の状態を保てるようになり、さらなる燃焼効率の向上、パワー&トルクのアップ、排出ガスの低減などを実現しました。
DSG®はマニュアルに匹敵するスポーティーさと低燃費、そしてオートマチックならではの快適な加速を高次元で融合した画期的なテクノロジーです。マニュアルのトランスミッションを進化させ、クラッチ操作とギアシフトを電子制御化。そのシフトチェンジは約100分の3〜4秒という、プロドライバーをしのぐほどのスピードとスムーズさを実現しました。TSI®エンジンの圧倒的なフラットトルクと、DSG®のこの上なく滑らかな加速はまさに絶妙のマッチング。さらに両者の低燃費があいまって、その経済性もひときわです。
革新的なツインチャージャーシステムにより、TSI®エンジンは広い回転域にわたって驚くほど豊かなトルク特性を実現しました。あらゆる状況下でもたらされる力強さとスポーティーなレスポンスは、ドライバーにはるかに大排気量のエンジンを思い起こさせます。そのフラットなトルク特性のおかげで頻繁なシフト操作の必要もなくなりました。リラックスしたドライビングでも十分にスピーディなため、結果として燃費が大きく向上します。